第三十一回 ハットトリック!!!

2020 5/5  


2015、16、17年。
ポルシェ、ルマン三連勝!!!
いえい!


という事で皆さんは自動車、お好きですかな?

好き嫌い以前に便利ですから、皆さんご利用の事と存じます。
私は趣味的に自動車が好きです。

と言いましてもとても悲しい感じの趣味的なクルマ好きです。
何せ、今、車を所有していないのですから!
男ヤモメで極インドアー派の私が自動車を所有するなら、それは九割がた趣味の
為の車になり、そうするべきとも思うのですが、低所得且つ、生活費以外全てを
クルマに注ぐ情熱も最早無い上に、若かりし頃にチョットだけそういう感じの人
生を送りましたが、「ランニングコスト」の猛威に心が折れて以来、縁を切って
しまいました。

とは言え、スポーツカー、外車、高級車、旧車、改造車、等々でなければ乗りた
くないとかではなく、仕事で乗るライトバンやトラック等でも楽しいと言います
か、基本は同じと言いますか・・・
サクシードが好きですし、ノーマルで楽しく一生乗れると思います。

完全に前置きを失敗した所で本題に。
私と車の備忘録です。ごめんなさい。ツマんないですよ。


小学高学年からモータースポーツに触れ合いながらも何故か普通のクルマにはそ
れ程食指が伸びなかった。  何故なのかいまだにわかりませんが。
確か小6?だったかに遊びに来た親戚が持参した 「くるま選び」 という分厚
い雑誌を見て人生がチョット変わりました。

当時、バブっていたせいもありますが、世の中にこんなにも車の種類があって、
それぞれがイチイチ違うっていう事実に不明感と驚愕でいっぱいになりました。
中でもエンジンのバリエーションの多さはイカれている、としか言い様が無い
し、着々と進化し続ける不気味さは家電には無い開発速度とチョットの違いをす
ぐ実用化する業界に違和感しか無かったです。
が、その多様性とカオスさにすっかり魅せられてしまいますと、世の中の全ての
車が魅力的に色づき、モータスポーツと自動車メーカー、レースカーと市販車と
の関連付けがやっと始まりましたし、そうなると雪だるま式に知識が増えて、私
のクルマ知識もバブっていきましたね。

そんな折、風が吹いている時ってのは怖いもので、 「カーグラフィックTV」
ってのを偶然叔父から教えてもらいます。
叔父はフェラーリが特に好きらしく、過去のVTRを見せてもらい、BBやテス
タローサ、328辺りだったと思うんですが、あまりの変形具合と私の知る車に
は付いていないアレやコレやがあっちこっちに付いていて、「ひゃーーー」って
思いました。

あっ!! 私はですね、スーパーカーブームに関しましてはギリギリ燃えカスの
冷たくなった所を木の枝でほじほじしていた世代なのでカウンタックや935、
ストラトスの様な幼児が見ても 「おおう!」 ってなるものは記憶にありまし
たが、BBや930ターボ位では幼児の記憶には残らなかったみたいですね。
あと、カウンタックはミニカーを赤い塗装が剥げ剥げになるまで遊んでいたので
後々まで記憶に残っていたのでしょう。
935とストラトスに関しては完全に塗装でしょうね。
要するにアリタリアとマルティニが優れていただけの話かなって思います。

で、更に風が吹きます。
早速放送日時等を教えてもらい、家で録画したカーグラTVの一発目が、フェラ
ーリF40とポルシェ959の二台を特集した贅沢過ぎる30分番組でした。
ひっくり返りました。その余りのカッコ良さに。
桁違いの性能を持つこれらが市販品で公道走行可、である事に。
普通免許で乗れる事に。


私は初代の901型から993型までのポルシェ911が大好きです。
例えば宝くじで数億当たるとか、謎の組織から何でも一台くれてやるから選べ、
と言われればこの三十年余の間に作られた901~993間の911から選ばせ
て頂きます。楽しみだなぁ。

とは言え、私が911含めポルシェに魅了されたのは二十代後半でして、それま
ではフェラーリ一辺倒でした。
どうやったら買えるんかなー、なんてボケーっと考えてましたね。
しかし今となってはレーシングフェラーリは変わらず好きですが、公道用はあま
りピンと来なくなってしまいました。
488GTEはキュンキュン来るけどストラダーレの488にはキュ、位かなー
みたいな。

そんな私もフェラーリの中で250LMとF40とその派生だけは別格で、延々
延々追いかけ続けています。
二台とも公道用ではありますが、公道を走る為の配慮ははぼ無いと言って良い
イカれ車です。
尤もこの二台はレース、特にル・マンに出る為に開発、生産されたものですので
配慮も夢もサーキットで花開くように設定されているようです。
この二台、とにかく綺麗です。趣は違うんですが両方ともまぁ綺麗です。
特に250LMはこれ以上の自分にとっての理想形を考え得るのか、悩ましい位
に完璧な見た目、V型12気筒、SOHC。
全く、一分の隙も無い、私にとって完璧な自動車です。
ただ私、この車、運転は勿論、生で見た事すらありません。
何年か前に程度の良さそうなのが400万ドルで売ってましたね。


ポルシェ、が好きです。一番に。
レースが好きで勝利に拘るならば他に選択肢が無い位に異常な戦闘力を誇るメー
カー。
ワークスは強く、プライベーターの多くもポルシェを選択し、勝利する。
現在ではそこまで極端ではないでしょうが、ル・マン最多勝利をはじめ、世界中
のあらゆる競技で勝利数を稼ぐこの変態メーカーの競技的側面を知り、フェルデ
ィナンドの縦横無尽の天才設計史を見ちゃうと、笑ってしまうくらいに多彩な魅
力が炸裂し過ぎて、唯一無二感というか、特に古いポルシェに乗る事は 「車」
という常識にこんなんもアルよっていう衝撃がバコンって来るんちゃうかなー、
みたいな。
ミニカーは持ってますんやで。

だから911に乗りたいっていうのは、大ポルシェ帝国の片鱗に触れる一番手っ
取り早い方法かなって思うからです。
そりゃあ917、956、962、お綺麗な908とか356に触れたら勃起も
んですし、ポルシェ・ティーガーと919ハイブリッドを並べて写真を撮りたい
です。でも無理ですやん、そんなんフツーに。
尤も、911も 、全く、 現実的では 無いの ですが ね。
次に買うミニカーはもう決めてますんやけどな。


結果、私のど真ん中ポルシェはポルシェ一族が会社から排斥されて後の73RS
から始まる911に徹底的な改良が施され続ける言わば歪な眩しさを放つ
「ある側面」 に魅かれたのですが、それがマーケティングに繋がり、その後の
911の 「看板」 にまでなり、そうなると、あのカエルのような可愛いとい
うか間抜けな外観の見え方すらも鋭く、スピードを内包した怪物の姿にしか見え
なくなってしまいました。

大昔、ある女性にポルシェが好きだと言われ、理由を尋ねると 「かわいい」か
らだと言う。
ああ、確かに。確かにそうかもね。 そして、だから私はポルシェがそんなに好
きでは無いのだな、と。  私、若い。

世界中の色々なレースでワークス、プライベーターが手がけた多数の911
それを見るにつけこの車の無限の可能性を想像し、乗れば乗るほどに魅力と謎が
深まる 「ゼビウス」 のような車なのだろうとドキドキします。