第六十四回 百ルマン! ②

雨上がり、真っ暗になって、少し落ち着くルマン。
花火が上がり、ドローンによるイルミネーションも綺麗!

75周年記念カラーのポルシェ75号車が停止。  うううううう。
Dステーションもピットイン。
GTEスピンからの51号車コースアウト!  およよ。

と思とったら7号車が多重クラッシュ。  めちゃめちゃですわ。 これはアカン。  
二度目のFCY。

からのセーフティーカー(三回目)

今回特にシルバー、ブロンズドライバーが序盤の混乱で大暴れしましたが、
やはりルマンの戦い方は如何にも特殊です。
ジャッキーやクリステンセンのような異能者は別として、さんざん前もって見て、
勉強しても現場で洗礼を受ける事でしか成長出来ない悲しさ。

様々なコントロールの使い分けを24時間適切に振り分ける事によって最低限
生き残れ、更にその精度が高く最も重要な「運」の高い者が勝利する。
カムイの高精度マネジメントもダルなドライバーの暴挙と運の無さの前では為す術
が無い。
これもまたルマン24で散々見る事が出来るレースのドラマチックな部分です。
何より体が無事でよかったです。

約一時間後セーフティーカーイン!

20分も経たないうちにクビヤトドライブのプレマ63号車がポルシェカーブで大破。
千切れ倒して即リタイア。
からのFCY(三回目)

にしてもキャデラック、カッコいいな!
ガレージ56枠のナスカーカマロもいいですね。
ゲストとはいえ真剣にここまで仕上げてくる、何と言うかアメリカ気質的な粋を感じ
ましたね。

で、コースクリア、からのまたすぐFCY(四回目)

明けてプジョー94号車が第一シケインでズドン!  

 

5時59分 日の出です。

怪獣ペイントのポルシェ、見れば見る程魅力的ですな。
ミニカーが欲しい。

とっとっと、Dステーションストップ!  あああ・・・。
80号車P2AFコルセの激しく壁ドーン! ぬおー!
バンウォールも煙を吐いてストップ。

日の出と共に幾らかのマシンが昇天してしまうルマンあるある、今年も死神の鎌は
健在でございます。

6号車ポルシェがP2と接触コースアウト!
戻れた、よかった。

グリッケン708号車がインディアナポリスでスピン!
インターユーロポールがミュルサンヌコーナーで盛大にコース内にグラベルを撒

き散らし・・・FCY(五回目)

10分程でクリア。
生き残ったマシンはもうコッテコテに汚れてヨレヨレで走っております。
このヨレヨレで汚ったないマシンが本当に美しくて、私はこの状態のマシンが走る
姿を見るのが一番好きで楽しいです。
24時間車載を飽きずに見れるのも、このヨレヨレ感をリアルに感じれて超楽しい
からです。

グリッケン709号車がインディアナポリスでスピン!
先ほどの708号車と全く同じ場所。 これはこれでスゴい。

そのインディアナポリスでジョタの38号車ポルシェが縁石に乗り上げてくるり
からの壁ドン!  ピットには戻れましたが前グシャグシャです。

とっとっと、トップ51号車フェラーリがピット作業後にエンジンがかからない。
うんうんうん、かからない。
後ろからピット作業を終えたトヨタがスイっと出て行きまして、トップ交代。
フェラーリ、一分あったマージンを失いトヨタの6秒後方に。
これは面白い!!!   コレですわ。

さてさてさて8号車トヨタ、残り4時間40分でブエミからハートレイに乗り換えて
さぁここから。  ハートレイ劇場開幕!

といといとい、GTE911号車がポルシェの最終で猛クラッシュ! ぬおー!
ピットに戻れましたが、残念リタイア。
カーガイもクラッシュからのリタイア。 残念!
プジョーも油圧トラブルで入退院を繰り返します。

ハートレイの猛プッシュが続く。 ラップダウンの50号車にツツかれつつも前の
51号車を猛追する。
しかしフェラーリはレーススピードを完全にコントロール出来てますね。
タイムの上げ下げが自在。
ベストタイムの出し合いでヒリヒリに。
ハートレイ、3スティント同じタイヤで鬼気迫るアタック!

4スティント目にフルサービスを受けて一気にペースアップ。
フェラーリも合わせて上げますが、それでも8号車がグイグイ迫る。
トヨタがこの時点での手持ち全てを賭けて勝負。
恐ろしい勢いでギャップが縮まります。

 

残り1時間55分。  ハートレイ、2時間45分、グレイトジョブ!!
ギャップ10秒で平川選手に交代。  ゴールまで。

お、ルクレール! フェラーリのピットに来てる。

ぜひ来年は乗って下さいよ。

 

8号車、アルナージュ手前でリアがブレイク。スピンしながらアルナージュ村へ。
スイッとピットに戻れましたよ。 良かった。
フロント及びリアセクションをまるっと交換。 更にフルサービスを受けて発進。

残り1時間7分。
51号車、ジォビナッツィからポールシッターグイディに交代。 ゴールまで。


この時点でトップフェラーリ51号、トヨタ8号、キャデラック2号、3号、
ポルシェ5号、フェラーリ50号・・・・・

P2はトップ34号と41号がバチバチ!!
ユナイテッドとジョタが沈んで個人的に残念。

でもトップ争いが素晴らし過ぎて最高。

そして激熱GTE、殆ど皆さんリタイアあそばして残り9台。
コルベットのパフォーマンスカラーを纏った33号、いろいろあったが今はトップ。
2位怪獣ポルシェ56号、3位は一時トップを快走したいたアイロンデイムスポル
シェ85号。

ナスカーカマロはピット手術で大きく脱落。
以下オマーンのTFアストン25号、GRポルシェ86号・・・・

 

平川の猛プッシュは続き、ギャップ3分20秒が2分50秒に。
名手グイディがフェラーリを安定させているとはいえ

残り32分、ポルシェ5号車第二シケインでスロー。 ぬうぉおおお・・・
何とかピットにたどり着きます。

残り23分、各車最終ピットを済ませる中、51号車も給油のみ済ませてロリポップ
が上がる・・・・・・が、マシンが動かない。
およよよよ、 リセットかけて40秒ロスして発進。
トヨタとの差が54秒に縮まるが、トヨタももう一回ピットインしなければならないの
でむむむ。

キャデラック2号車も最終ピット。

う~~ん、カッコいい。

とっとい、グリッケン709 が第一シケインで壁ズッドン! 何とか戻る。
ポルシェ5号車もチェッカーを受ける為にスローのままコースイン。


午後4時、チェッカーフラッグ。
フェラーリお見事。 499P、51号車完勝。
50年ぶりに帰って来て100周年記念大会を勝利。
エグい。

キャディは3台並んでデイトナフィニッシュ(笑)

いやはや今年のルマン。 本当に素晴らしい、濃過ぎる24時間でした。
資料やビデオ等で見れる限り見てきましたが私は面白くないルマンを一度も
見た事がありません。  いつのルマンも最高です。
それでも今年はちょっとだけ特別なルマンとして胸に刻まれそうです。

大好きなP2、来年WECには出れませんがルマンには参戦予定。
GTEは終わり、GT3へ。
来年はある種のクライマックスを向かえる感じがします。

 

ルマンを愛していますから100周年は特別に感じますが、コース脇の樹木や
アスファルトの粒子達に100周年の気概などありません。
来年もそこに樹木があり、変わらない空気感がある。
その事が感動的であり、ルマンで最も重要な事柄です。

出場し、完走したマシンとチームに最大の敬意を表します。


「ルマンで完走した全ての車が勇者であり、
 完走した全てのチームが勝利者。」

寺田陽次郎の言葉は真髄だと思います。

ジャッキー、TERADA、クリステンセン。 生ける伝説やねぇ。