第六十三回 百ルマン! ①

久々のガチ備忘録。読みにくく、楽しくも無く・・・スミマセン。

 

100周年、第91回ル・マン24時間レース。

泣いてしまう位に凄いレースでした。ここ10年以内で言えば文句なしで一番感動し、
白熱し、幸せな気持ちになったレースでした。

あああ、本当にすごかった・・・。


去年、3年ぶりに客が入り、6月開催に戻されたル・マンを見てほっこりしましたが、
内容はタフで、24時間でセーフティーカー1回、FCYはなんと0回だったと記憶して
おります。  走りっぱなしです。


予定されていたプジョーは参加せず、磐石すぎるトヨタがワンツー、カネとロマンのグリッケンハウスがスリーフォー、と坦々した、それでいてピリつくルマンの醍醐味の一つを心ゆくまで堪能できるレースでした。

 

さて100ルマン。始まる前からもうスゴい。
去年おあずけを喰らったワークスプジョー2台。
50年ぶりにプロトタイプをワークスで取り掛かるフェラーリ2台。
無茶苦茶カッコいいキャデラックがアメリカンサウンドを響かせてワークス2台。
カスタマー1台。

そして、我が愛しの君・・・耐久王・・・リビングレジェンド・・・ポルシェが帰って
きました。
キャデラックと同様LMDhなのでペンスケと組んでワークス3台、カスタマー1台。
このポルシェも綺麗ですねー。懐かしの935を更におメカシした感じで大好きです。

 

これらの怪物王女達がバラバラと音を立てながら日曜初日のフリーに雪崩れ込む。
歓声!!
運営、メーカー、チーム、観客、関係者全員が100周年のお祭りを特別なものに
したい、としっかり準備をしてお祝いに間に合わせる。あーもうお腹いっぱい。

 

100th仕様の異様な空気感はその場の全ての生命と物質に作用します。
トヨタとDステーションが大破。特にDステーションは致命的でしたが、奇跡的な手配
と全ての魔法を使い切って決勝に出場しました。   よかった!!!

 

さて予選。24時間セミスプリントと言われる今でも、まぁはっきり言って殆ど重要では
無いと感じますが・・・一応、神速カムイと去年のハートレイの悪魔的な攻めが今年はど
うなるのか、という興味があったのですが、フェラーリが取っちゃいましたね。


BoP。今回急にルマン前に全車調整がかかり、大袈裟に言っている解説者もいるが、
2021年、優勝確実と言われたアルピーヌにも直前に重い調整が課せられました。
今回のトヨタみたいな微妙に重い調整では無く、ハッキリ重い調整がビシッとかけられま
した。  まぁ、それくらい速かったからなのですが。

ハイパーカーを新造してくれたトヨタとグリッケンにヨイショする形でACOが気を利か
せてくれたのです。  政治的ハカライです。

 

モリゾーがスポーツに政治の力が働いてはならない、と言ったが、政治的で無い商業スポ
ーツなんて多分存在しないし、魅力も無い。
特にモータースポーツは最も政治的なスポーツの一つだと思います。
そしてナショナリズムがやや低め。  でも無いか?
まぁ、とにかく、だから面白いと私は思います。

スープラに本来の2JZを積まずに、強力な3Sに載せ変えるのは政治的では無いのか?
他メーカーや冷静なファンは皆思いましたよ、 「そこまでして勝ちたいのか?」
本来のRB26を積んで勝ったGT-Rには敬意と憧れを表するし、町で見かけてもウキ
ウキしましたが、スープラを見たとて侮蔑と嘲笑を向ける外には無かったです。

例え重心が高く、重く、かさ高くとも伝統とロマンの直6で戦うGT-Rをファンに見せた
かったのでしょう。
トヨタも同じやるのならセンチュリーに3S載せて出たら盛り上がったろうに。

ルマンは伝統的に頑張って出場し続ける者に手を差し伸べる風潮があります。
三十余年挑戦し続けて一度も勝てないという他に例が無い、弱すぎるトヨタを何とか

勝たせたいというACOの動きは心に染み入りました。
余りに複雑なモータースポーツの世界。

良くも悪くも政治が無ければ、立ち行きません。


で、アルピーヌ。
自身のミスもありましたが、結果、優勝トヨタの4ラップダウンでした。

それに比べて今年の調整はまさに神調整でした。
優勝フェラーリと二位トヨタは同一周回。
今年のルマンが歴史的に面白かった理由の一つがこのBoP調整です。

もう一つ、それは残り4時間のブレンドン・ハートレイ伝説です。
もの凄かったですね。 4スティント連続アタック!
特に残り4時間を切ってからの8号車からはオーラが立ち昇っておりましたよ。
ワークスドライバーの中でも最も難しい仕事を最高のパフォーマンスで捌ききりまし
たね。  涙が出ました。 マジでありがとうございました!

 

平川選手には来年も絶対出て欲しい!!
彼ほどルマンに向いている選手は居ない。
が、その平川選手をしてあのアルナージュは避けれなかった。
ブレンドンの無線で、知ってた。  それでもなおああなった。
しかし三年目の平川なら今年のあれを避けられる。  何と言うかそういうものです。

 
これはきっと祝福なのです。
一般人には、その存在を感じる事すら許されないルマン24と言う最高神からの先触れ
なのです。
去年平川選手がサルテ(ト)を走るのを初めて見た時から、

「おお、こーれはエエ選手来たなぁ。」   と感激した私の夢を潰さないで下さい。
来年のハイパーポールは平川でキマリよ!
何より平川選手、あなたとルマンの相性は抜群にいいです。

 

でもまぁ、この直前BoP調整が無くてもナチュラルで良いレースが見れたのもまた

間違い無いと思います。
昔のルマンはそうでしたから。  強い者が当たり前に勝つ。

何やったら大差で勝つ。
ただ、近年のP2、GTEの目の眩むような面白さはBoPありきです。
ここ5年、トップカテゴリーで目の眩むような面白い瞬間は一秒もありませんでした。

各メーカーが100周年のお祭りに駆けつけてくれた事と、ここ5年マジで世話になった
トヨタとを天秤にかけた時、ACOは絶妙な匙加減で錬金したと思います。
現にトヨタが勝てる可能性はあった訳ですから。
P2、GTE同様、ハイパーカーにも煌きとヒリつきと痺れが与えられた訳ですから。

 

 

レースの時間。
最高の舞台に出向く淑女62台とドライバー。
先頭2台のフェラーリには申し訳無いが、24時間後に2台の姿は無いと思っていま
した。

プジョーも戦闘力が・・・、特にルマンでの戦闘力となると厳しい。しかし完走はする。

ポルシェも勝つ気で来ているというが、言うて今年は様子見やろ。そして来年はワンツ
ー、からの三連勝やろ。ヒヒヒヒヒ・・・・・
ていうか御大ロジャー・ペンスキーがルマン入りしとるやないか!
マジかよ・・・という事はあるいは・・・

勝負はトヨタVSキャデラック。 一台も落とさなかった方が勝つ。
両方が落とさなかったならば・・・トヨタの勝ちやな。
などと真剣に思ってました。

部分チョイ濡れで幕が開いた一周目、まさにチョイ濡れ区間の第一シケイン立ち上がりで
壁ドンするキャディ!!  ワオ!!!
早々にセーフティーカー出動。

 

ざわざわざわ・・・・

 

40分位して再開。
からの40分位してP2がクラッシュ。も一つP2クラッシュ!GTEもクラッシュ!!
コースの半分位がSZに・・・・それでもコースアウト、スピンもどしどし。
あきまへんで、ちょっと一回落ち着いて下さい。

で、一旦落ち着いたんですが、またすぐにドカンですわ!
P2がGTEをオカマ! 左目を失うP2。右目を失い左後輪が吹き飛ぶGTE。
なになに?? どうしたん、今日みんな??? ああ、100周年か!


そして、悪夢のような雨が部分的に激しく落ちてくる。
あらゆる車両が激しく回転する、はみ出る、激突。
セーフティーカー出動。
約一時間20分後、弱い雨が残る中、セーフティーカーイン!!
直後P2が壁ドン!!

ここでまだ4時間半しかたっていません。
スルスルとスロー走行する美しい車・・・・あっ! ポルシェの6号車ですやん。
右リアパンクしてる。 あわわわわわ。
リアのアッセンとタイヤ交換してシュッと出て行きはりました。  ほっ。

としたのも束の間。 ポルシェ軍団でトップを走っていたジョタの38号車がポルシェ
カーブで大クラッシュ!
デブリを撒き散らしながらピットに帰れて良かったが、ここで初のFCY。

 

FCYが明けてもクラッシュは続き、空は夜に向けて暗くなりはじめます。
そして日没とほぼ同時にルマンは強い雨雲をコースに呼び寄せます。
コースのあちこちで大混乱が起こりますが、レースコントロールはグリーン!

う~ん痺れる。