第三十八回 ヴァーゲン

2020 11/1   


最新のワゴンが最高のワゴン。
バンド名をポルシェに変えてみては?

ついにこの日が来た。
怒りの二人ワゴンから1/2イヤー。
10月31日、ワゴン、ワンマン。


オープニングアクトは御存知マツイリツ。
堂々とアクトを務めたこの若者は、しかし最早若手では無くなった。
実にしっかりと歌い上げていなさった。天晴。


ワゴン、登場。
登壇した彼らから必要以上の気迫や逆にプレッシャーによる萎縮は全く感じられ
なかった。
が、いつもとは全く違った。

私はワゴンの事も、メンバー各々の事も知って2,3年かと思います。
ですが今回のワンマンには長いワゴンの歴史が全て凝縮されていたと強く感じま
した。
ステージからの一秒一秒に完全に意味があり、物凄い情報量の風が吹き付ける。

しかしこれが心地よく、あの短い時間を過ごすうちにメンバー各人との距離が劇
的に縮まり、ライブが終わった頃には私はワゴン博士になっていました。
凄く、ワゴンを、解かれた。 と、おもった。
ああ、何と印象深く、気持ちの良いライブ体験だった事でしょう。
音のバランス調整はベーカワさん? 最高! 最高でした!!

シンディー。
私のギタリスト像を具現化する為に必要な容姿を完璧に持ち合わせていて尚且つ
上手い。ある意味完璧なギタリスト。
ある意味ズルい。
今日はシンディーの顔に終始色々なものが詰っていて特に最初の3曲辺りまでの
顔は見ているだけでウルウルしてしまいました。

ザッキー。
個人的にこの人のベースが堪らなく好きで、この人が弾き始めると必ずカリブ海
沿岸とそこに吹く少し強めの風がセットで浮かび、毎回気持ち良いです。
あと、本人やメンバー(主にOニー)がミスった時の顔の動きがとても魅力的で
す。

バニー。
言わずと知れたマルチプレイヤーの雄。
きちんと整えて、ほぼ万全で挑めば此度のワンマンのような素晴らしすぎるプレ
イを約束してくれはる。
作戦か?
いや、ありがとうバニーさん。

でさぁ、やっぱり俺、今回、マミさんがさぁ、本当に凄いフロントマンやなって
感じちゃったなー。
バンドをバンドたらしめている要因をフロントマンが多く担うのは、当然と言え
ば当然なのですが、私はワゴンにはその要素をメンバーから1/4ずつ感じてい
て、故に物凄く変で、特別なバンド、と感じています。

実際にバンドをコントロールしているのはシンディーでしょう? ね?
でもMC含め全部の全~部の大きな流れはマミ姉次第。
その流れが今回特に絶妙で、これが良いライブになるかどうかの大きな要因です
からマミマミ凄いなって。

やっぱりフロントの中には我が我がって感じで、他の者とは背負ってるものが違
うんだ感をマトモに出して来るイタい者も居る。私はこれ等の連中が不可なんですね。
マミーンはタマ~に引っ込み過ぎる時がありますが、普段の絶妙な存在感は才能
だと思います。
シャウトも三ヶ所くらいあったかしら? スコーンと抜けて最高。

あとはやっぱ、まみちゅんのドレスですよ。
今回のあの茜色?緋色?のドレスは特別なエースだそうですよ。
あと、一つだけ残念だったのは、ブラリ~~ブラリ、っていう曲の時にマーミン
が非常出口マーク? うーん上手く言えませんが腕をこう振ってくれはるんです
よね。アレが今回無かったのはチト残念。
まぁ言うてワゴンニュースの時のマミゾーのコーラスアクションがあったので良
いのですが。


「どうしても」
ヤバい曲ですね。
始まった瞬間、もう既に胸がザワつく。
進むにつれて幾らでも重さと疾走感は増してゆく。