第二十九回 おもろい夫婦

2020 4/16  


ベーカワ、ジンジャ・ベーカワ、カワベクン、りょうチン、りょうたん、
リョタソ、シャッフル王子・・・・多くの名前で呼ばれるこの男、真名を
川辺亮という。
この近藤真彦似のナイスガイ、実は俳優では無くドラマーである。

私のココロの嫁であるベーシストつぐキングの真のパートナーであり、この夫婦
との出会いは私にとって、とても大きな影響を及ぼし、それは続いている。


私がバンドの生演奏見たさにセッセとライブハウス通いをしていた若かりし頃、
バンドのリズム隊っていうのはもう、本当に、適当っていうか人手不足っていう
か・・・・・
弾き語りの人の総すかんを食らう覚悟で書かせて貰いますと、弾き語りのバンド
版みたいなバンドが多くて・・・
ソツがないっていうか、後ろで鳴ってるだけっていうか。
仕方が無いとは思うんです。バンド組んだはエエけど5年、どころか1年もしな
いうちに解散。
で、また別のバンドで・・・の繰り返し、がフツーに多いシーンでしたから。

バンド組みたてなのか知りませんが、ドラムもベースもそこそこ上手い。
が、それぞれが思いっきり演り過ぎていてバンドサウンドとしては・・・
これは僕大好きでした。結果として、まーーー長続きしませんが。
でも大体は合わせようとソツのない、しんみりしたリズム隊がホント多かったな
ー、っつって。
いずれにしても時間をたっぷり掛けないと、逆に掛けさえすればバンドサウンド
は絶対に良くなりますが、思い切った演奏マインドは取り返せないゼ。
そうなん?


で、時は流れて、生演奏から離れて十数年経ったある時、二人と出会いました。
うーん、プロやな。聞いた事も見た事も無いけど、プロやな。
出してる音が違うもの。要するにプロなのよ。
結果プロでは無かったんですけど、めっちゃ嬉しかったですね。だってあのレベ
ルの演奏を最低月一で聞ける可能性をゲット出来たのですから。

この夫婦、ナッシュビルウェストっていうライブハウスを経営なされておりはり
まして、その当時、ハウスバンドのブラック&クレイジーに於いてリズム隊を担
当されている。
このブラクレがもう見れば見る程ヤバ過ぎて、ワシ阿呆やからリズム隊ばっかり
見てましたね。

いや、普段は全体を見るんですよ。だってバンドが大好きなんですから。
でも、スコット・トラヴィスやトミー・クルフェトス、テリー・ボジオ、ポン
タ、なんかはやっぱりドーーーしても、気になってそっちばっかり見てしまうで
しょう?
ロンダ・スミスやジェニファー・フィンチ、キム・ゴードン、トキエ、なんかは
ドーーーしても気になるでしょう??

このご夫婦の場合、つぐキングっていうアイキャッチが半端ではない、スーパー
タレントに視線を持っていかれるので特に要注意です。

音がデカくて、煩く無くって、上手い!!
手数も多めで 「ここでバチこーんって欲しい」 って所でより良いバチこんが
入ったりする。
ロックドラムで一番楽しみな所のセンスが一杯詰ったベーカワ氏。

でさー、私はスティーシェリーっていうドラマーが一番好きなんよね。
で、この人にハマった理由は ツンッタツツンッタ  とかの普通のエイト?
知らんけど、そういう単純な刻み? が明らかに凄すぎたのと、殆っんど余計な
事をしない打ち込みみたいなドラムなのに、揺れ?存在感? わからんけどドラ
ムの有り様に気付かされた。 ???  え?もう一回言わなあかんの?

ええっと。でもって私はベーカワさんにスティーブ・シェリーを強く感じたんで
すよ。
で、この川辺という男、ミーハーな部分っていうのか、オタク的な部分が皆無な
人で、特にロックドラマーの知識とかドラムの趣味的な部分は高校生以下やなっ
て思うくらい本人はどうでも良いらしく、 
「あの有名なアレのアノ部分のアソコやって下さいよ!」  って言っても
??いや解からん??  ??それ誰?? って言われるんですよね。
いやいや、先程ほぼほぼ近いのんやってましたやん! って言うんですが、
「そうなん!?」  で終わってしまうんですよね。

今までも楽器に選らずそういうバンドマンに出合った事はあります。が、何れに
せよ当然彼らのプレイは良くて中の下ですよ。ほぼ何も考えていないのですか
ら。練習もそこそこやろうし。

勿体無いっつーか、目からウロコっつーか。
つぐキングなんか(笑) ベーカワさんよりもっと(笑)興味無いし練習もしな
い(笑)らしいですからねwww
アカン思い出したら笑ってしまいます。
ほんとキングって変わってますよね。

折に触れ「キングは何をもって、あのステージでの爆発、やベースへの入魂、を
果たしてるんですか?」  って聞くんですけど、ぼんやりとしていていまだに
霧が晴れた事は一度もないですよね。
尤も何でお前にそんな事言わなあかんねん! 聞かれなあかんねん!
っていう単純な話なんでしょうけどね。

うーんエエなぁ。贅沢やなー。
モンスターロシモフみたいな超一級のロックンロールバンドがあって、お腹いっ
ぱい幸せ。
求めるところは少なく、有り難く人生を楽しめば良いのに。
こないだもさぁ、律っちゃんに二人ワゴン、すうじぃバンド、MRTマイナスOn
e、3Pルービーズ、カズロック!、桑田さん、ロシモフ、モンキーサイクル。
とにっかく!全員がボーボーに燃え上がってて、受け止めるのに必死必死。
真面目に長生きしてたらエエ事ある。を自身で証明している感。

この日のモンキーさんのキマり具合といったらもう!
ココ最近で、いやある意味で十三ファンダンゴ以上に燃え上がっていた、マンガ
みたいなカッコ良さが炸裂していました。
ちもりさんもキングも心の開放区がブワっと噴出していて、結果、俺は、人間年
を取ったらすぐ泣くの法則、を自身で証明している感。


ええよ、別に。
元に戻らんでも、どんな形でもいいからまた会えたら。
何やったら会えんでもええわ、生きて下さってさえすれば。