第十三回 サーカスチャーリー

2019 3/22  


F-1が開幕しました。
32年間見続けてきましたが開幕戦というのは何度巡って来ても特別で、興奮
し、すごく盛り上がります。
特にすっかり定着してしまったオーストラリア開幕は、何となく「のどか」な開
幕ムードを感じれて好きです。

開幕戦。
暑い、暑過ぎる左廻りのブラジル開幕。
これまた暑い上に市街地で、しかも90度コーナーが多く、狭い。
スピン即コンクリート壁なアメリカ開幕。
なんとも個人的には開幕戦から厳しい世界だな、と思っていました。

のほほん、としているとは言え、現在のオーストラリアのサーキットも市街地コ
ースです。
ですから番狂わせもアクシデントも多いです。
でも、市街地とは言え、比較的開かれちっくなコース。
芝生の上に座り込んでご陽気な大勢のファン。
何か好きなんですよねー。


エフワンレースデレクターのチャーリーが急逝・・・。
今年二年目の若手がフェラーリをドライブ。
ホンダ、レッドブルと共に。等々、他一杯。
毎年蓋が開くという意味でも開幕戦は楽しみです。

「おお!奴めホンマに居るわ!!」 とか、
「これが連中の答えか(笑) このデザイン、キレて無茶したんか、10年先取
 りしたのか、何れにしても眩しすぎるわ!!」等々。
最高峰で最先端の競技なのに
「ジャジャン!!」と決めて来るクールなチームもあれば、
「ギリギリ間に合いまし・・・ませんでしたー」みたいなガムテープ止めの嵐み
たいなファニーなチームのマシンがコースインと同時に部品を飛ばす姿は開幕戦
ならではの癒しです。


チャーリー・ホワイティング
普通は裏方のオッサンの名前なんて覚えませんよ。
でもバーニーとチャーリーとマックスは流石に覚えますね。
バーニーは長ーい事居らはるし色々ケッタイなおっさんなので。
マックスは面白SMビデオ流出でインプッツ。

そしてチャーリーはこの夢の舞台にして世界最高峰の四輪競技、莫大な金が動
き、生き馬の目をくりぬいてもう一回元に戻す、みたいなイカれたこのエフワン
サーカスに於いて普っ通ーにちゃんとした感覚を保ちつつ、誰に対しても常に個
別に示せる可能な限りの誠意で対応する、出来る、稀有過ぎる存在なので憶えて
おりました。

あと、何時かのGPでフロンローのどっちかがスタート直前にチョイっと動いて
しまって、スターターのチャーリーが 「あっかーん!やり直しじゃーい!!」
と両腕をブンブン振る姿が印象的でした。

イカれた発言、思考、行動が日常のエフワンサーカスでチャーリーの記事を読む
と、一気に冷める一方で、如何にFIA,チーム関係者、ドライバー、マスコミ
関連、そして我々ファンが慢性的に熱にうなされているかがわかります。
無論、この熱こそがF-1。
それを求めてあの同じ所をクルクル周るだけの変な形のクルマを追いかけている
のですから。

チャーリーも当然熱にうなされ、むしろ高々熱罹患者の部類でしょうよ。
でも、その熱を楽しみながらも決して熱に呑まれないで、この競技への溢れる愛
を誠意に変えて、係わる人全てに分け隔てなく当たった偉人。
まぁ、ちょっと褒め過ぎかも。
クズやけど才能ある上層部な連中のなかで、優秀でいい人ってのはなんかこう、
アニメちっくで好きなんすよね。


誰が引き継ぐのかは知りませんが、誰が引き継いでもチャーリーとは比べませ
ん。
彼のようにモータースポーツの狂気に肩までどっぷり浸かった上で一般的な公正
な感覚を持ち続けるようなド変態が居るわけ無いのですから。