第四十八回 冷飯給食

2021  8/31 


とにかく!! 
炊きたての飯が苦手で嫌いでした。 ヒジョーに。
今は好きです。
如何にして炊きたての状態を維持するかに熱心でございます。

何故炊きたてが苦手だったのかといいますと・・・
まず熱い! 熱過ぎる!! 私は超猫舌でございますよってに。
熱いから味がぼやける。   水蒸気を食っているみたいだ。
炊きたての米は放熱性が悪い。 高熱源体。  いつまでも熱い、イライラする。

出来たてのカレーと炊きたてのごはんが目の前に。
これはもう悪夢、というか怒りを向ける対象ww
空腹を抱え、ナイススメルに心ときめくも、眼前に臨むは獄熱の炎海。
「冷やご飯ないの?・・・」

無い時。
空腹による恐怖と加速し続ける飢餓感。
二枚の皿にそれぞれ飯とカレーを盛り、扇風機の風(強)を当てて30分程を耐
える。・・・・・・・・・・本当に辛かった。

有る時。
これはありがたい。 
冷や飯、出来れば冷蔵庫でキンキンに冷やされた白銀の舎利塊に熱々のカレーを
融合させたならば・・・余は満足。  ああ、最高の御馳走でございます。

次の日、常温冷や飯に一晩おいたカレーを未加熱でパイルダーオン!  
これぞ! これこそが!! 最高のカレーライス!  じゃい!


冷や飯と冷えた味噌汁との融合。 それは時代を変えうる力。
茄子の味噌汁(一夜越し)や豆腐のみの味噌汁(一夜越し)、豚汁(一夜越し)
あたりが最強か。

わかめの味噌汁、わかめと豆腐の味噌汁は熱飯、常温冷や飯と融合するとほんの
少しエグみが出るので別々にいただきます。
但し、冷蔵冷や飯と冷蔵わかめ系味噌汁の場合は融合可です。
これも本当に美味しい。

じゃがいもとタマネギの味噌汁はそもそも飯自体との相性が悪いので食後まで手
を付けず、オーラスにクーッといただきます。 デザート味噌汁ですな。

しじみ汁は食前に一杯、食中に飯とは融合せずに一杯、食後に一杯。
冷や飯と融合しても美味しいのですが、素のままのしじみ汁を崩したく無いとの
思いから、融合の機会は殆どありません。

 

食パン、トーストですな、 これは黒くなるまで加熱します。 アツアツです。
これはイマドキの美味しい食パン群に対して行うべきでは無いと解かってはいる
のですが、 つい・・・

今から35年程前、当時の私は食パンがあまり好きではありませんでした。
パサパサで風味ももう一つ。 贅沢な事を言うておりますな。
しかしこれをオーブンで焦げるまで加熱し、更にガスコンロで火炙りの刑にしま
すと、とても香ばしく、風味も少し豊かになりました。
尤も、完全に火が通り過ぎておりますので、トースト と言うより煎餅や硬い焼
き菓子のような齧り心地になりますが・・・

そういえば、初めて喫茶店でモーニングサービスの分厚いトーストを食べた時は
ビックリしましたね。
分厚くてエラいフワフワしている。 風味も違う。 塗られているバターかマー
ガリンも何だかとても美味しい。
実は私は8枚切り、出来れば7枚切りが大好きなのですが、そうそう売っており
ません。
それこそ昔は近所のパン屋さんで 「何枚切りでお願いします」 っつって、目
の前でカットして貰えましたよね。
10枚切りとか良かったですよー、本当薄くて。
普通に焼いてもカリカリですからねww
茶店の分厚いのも良いですが、やはり絶妙に薄いトースト(七枚切り)が一番
です。

 

私が学生の頃、寮生活だったのですが、冷夏で米が超不作。
市場から米が消えましたな。 いや実際にどうだったのでしょう。
当時実家に問い合わせたところ、値は上がってはいるがモノは有るし、外国米が
食卓に並ぶ可能性は無い、との事。  ほほう。
外食産業や弁当なんかがそうだったのでしょうか?

学食で初めて食べたタイ米は衝撃でした。 良い意味で。
美味しい! と思ったんです。 周りの学生諸君は概ね低評価、それにより定食
離れが起こった程です。

圧倒的にパラパラでシャキシャキ。風味や甘さがほぼ無く 「穀物」 を食って
いる感じ。これが良かった。
タイ米を食べて解かった事。私の米の苦手なところは妙ちくりんな甘さとねちゃ
ねちゃごわごわする食感。


数年後、一人暮らしがはじまり、初めて自分で米を炊く訳です。
当然米を買うところからして初めてなのですが、種類が多い! 無洗米なんての
も有ります。
フッと昔食べたタイ米が頭をよぎる訳ですな。
が、売っていないww  そりゃあそうですよね、散々な悪評でしたから。

じゃあ何でもいいから安いものの中からピックアップしようとなりまして・・・
ここで運命の出会いを果たす訳ですわ。
きらら397
昔、何かのTV番組で毎週必ずこの397を視聴者へプレゼントしていたのです
が、印象として先ず名前がヤバいですよね? 工業製品か?
食い物の名前じゃあ無ぇだろww みたいな?
北海道のお米?  え?北海道で米が出来るの?
うーん、気になっていましたし、安かったので購入。=う、うまい!!!

程よくパラシャキ。 甘味もあるが低い。 上品ですな。
風味も豊かでは無いが穀物感は強く総合的にとても美味しい。
可能な限り様々な北海道米を食べましたが、この397とななつぼしは頭抜けて
旨いと感じます。


十年程前にご縁がありまして、みなみ魚沼のコシヒカリなるものを頂戴しまし
た。
調べますとKg/千円越えという高額米。
という事は一般に良いとされる甘味やふっくらもちもち感が増幅されて私には
宝の持ち腐れではないのかなとも思いましたが・・・
食べるにあたり、洗いの時点でもう違います。
極めてしなやか。 これが普通の米では無い事がわかります。
炊き上がりの色艶、香り、音、しゃもじの入り具合、何もかもが違う!
食って仰天! こんな事があるのか!!  美味いなんてものじゃあ無い。
5Kgで言えば、あとたったの2千円前後足すだけで遥か高次元の美味が手に入
る。
幼少より食べてきたコシヒカリとは一体?? 色々奥が深いのでしょうが
「差」 と言うよりは 「別」 でした。

無論2千円前後の差は大きい。 主食であるから尚更であります。
しかし、逆に色んなものを切り詰めて一年中Kg/千円米を食べたら、人生が変わる
様な気がします。
半年間米無しでも平気。 米への執着が低い私だからそう思ったのでしょうか。
毎日必ず米を食べる人にとって、その米の良し悪しは左程問題では無いのでしょ
うか。

最近はすっかり米を炊く事をサボっております。
やはり北海道米が大好きなのでまた炊かねばなりますまい。
そして一年に一度はみなみ魚沼を食べとうございまする。