第九回 I've just updated

2018 10/19  

 

リスペクト桃井はるこ

私が31歳の時に恐ろしい事が起こりました。
今もその感覚を覚えていますし、思い出すと胃の奥に冷たいものを感じます。

真の音楽人間ではない私は読書モードやゲームモードに入ってしまうとCDもギ
ターも放置します。
とはいえモードが解除されれば先ずはCDやギターに戻る程度には音楽好きで
す。


その時、かなり長いテレビゲームモードがひと段落してローリングストーンズを
聞いたら、何にも面白く無くって、
「ああ、もっと激しいヤツね、OK、OK」
と言う事でガンズを聞きましたが面白くない。
エアロ、ZEP、ニルバーナ・・・ダメ。
アンスラックスパンテラ、スレイヤー、メガデス、ジューダス・・・うるさ
い。
「日本か!」  清志朗、ハイロウズ田島貴男ブランキー・・・ダメ。

おおお、何やこれ。
クラシックを聞いても、頭と手をブンブン振りながら聞くいつもの私にならな
い。
音楽が入ってこない。 楽しめない。
脳が揺れない。 体がリズムを取らない。
むしろ音楽が鳴っているのも苦痛なくらい何かがおかしい。

当然ギターなんて弾ける訳がない。
何にも思い浮かばないですし、弦をヒットする理由が解からないし、何と言う
か・・・面倒臭い。

過去に 「あ、そういや今年一回もギター弾かんかったな」 とか普通にあった
当時でも何かの拍子でギターを弾き始めたら普通に楽しく 「うん、これこれ」
ってなってたのに、その時は全然ダメでした。
すごく怖いながらも、まぁダメなものはダメなので仕方ありません。

 

ライフワークのひとつ、アニメ鑑賞。
げんしけん」 という作品を見ていますと劇中劇で「くじびきアンバランス
というのが始まりました。
OP付きで後にスピンアウトする力作でした。

そのオープニングが何とも甘いアニメ声ボーカルにキャッチーだが私が知ってい
るアニソンとは全く違うロック色が強すぎるアプローチの楽曲。
異常に前に出てくるベース音。
誰の目にも明らかな位に一点集中で力入りまくりのギタープレイとそのサウン
ド。

とにかく、無茶苦茶してるなー、バラバラやなー、誰やねんーというのが最初の
感想でした。
が、 が、 頭から離れない。
楽しい!
今、この世で、あの曲だけが、俺、楽しい!
と言う事に気付いて、その蜘蛛の糸を掴みました。


UNDER17桃井はるこ小池雅也・・・誰???  だから誰???

当時の私は普段からエッチな事ばかり考え、性行為動画を鑑賞したり、女性の淫
猥な一面を編集した雑誌を購入したりしていました。

因みに現在は専らエロ動画のみで、エロ本は長らく買うてまへん。

そんな当時、私がもっと貪欲になっていれば、もっと早くにアンセブに出会えて
いたのだ!!
なぜならば! アンダー17はPC用成人向け美少女ゲームの音楽製作ユニット
だったのだ。
今もそうやけどエロゲーには興味無いねん!
あらゆるエロに手を染める気概が当時の俺に備わっていれば歴史を変えられたの
に!!

あ、因みにオイラ、エロ漫画は大好きなんだぜ。エヘヘ

猛スピードでアンセブにハマり、その時点で手に入る物を片っ端から買い集めま
した。
アマゾン、ヤフオク日本橋秋葉原、9課、バベル、イスカリオテ、メジエ
ド、ΩⅡ・・・   あらゆる手を使って・・・

でも・・・私が彼らに追いついた2006年の2年前に行われた横浜ブリッツ
解散ライブには何をどうしようが辿り着けない。
なんという運命なのか! 何故? 何故なの??
モモーイもアニキも生きてるよ。
見にも行けるよ。
でも、でも・・・私はあの時、あの場所の二人を、アンセブを、熱狂を、愛を、
涙を、一点集中を、ウルトラオレンジを・・・
私はそこに、一緒に居たかった。


アンセブを聞きながらノリノリの日々。
こう見えて意外とアニメ関連のCDは栗コーダーが手掛けたあずまんがの劇伴
と、御存知田中先生のトップをねらえ2!の劇伴と主題歌しか持っていなかった
私は
「もしかしたら俺は今後アニソンとかそっち方面でしかエレクトせぇへんのかも
 ・・・」
とも思いましたが、そうではありませんでした。


結論から申し上げますとモモーイだけが特別でした。
適当にググって流行りや評価の高いアニソンを買いましたが、もう一つでした。
新鮮ですし、ガッチリ作っていますから普通に聞けますが、アンセブから受けた
パッションは感じませんでした。
当時の私は正に異常。
アンセブ以外では音楽を楽しめませんでした。


ギターもアンセブをコピーする為だけの理由で弾いていましたが本当に楽しい
し、今迄とは違う感覚が芽生えました。
色々なバンドの曲をコピーしてきましたが、生まれて初めて演奏に心が入った
気・・・あくまで気、ですが、そんな感覚に包まれましたし、弾いていて涙が流
れ出し、止まらない経験もアンセブが初めてです。

ロック、萌え、音楽、オタク。
私の中で融解してはいたが、それは独特とはいえ、何となくボンヤリした液体で
しかありませんでした。
それを見事に融合させた桃井はるこ
「こう言う事やったんか!」
「これが答えなんかー!」
その爆発的なエネルギーを前に私のロック概念は崩れ、遂にロック的なものを探
す旅が始まりました。   そして、それは今もずーっと続いています。

 

「的なもの」
色々見つけてはドキドキさせては貰ってますが、やはりモモーイは別格ですし、
飽きもせずにずーーーっと追いかけているのは桃井はるこだけです。

音楽の才能がありオタクの同志、優れた文才に独特のユーモアセンス。

リスペクト桃井はるこ
私は桃井はるこになりたい。